家づくりの疑問解消FAQ FOR BUILDING A HOUSE
資金計画
住宅ローン、変動型、固定型どちらを選ぶべきですか?(2025年8月版)
住宅取得において不可欠である住宅ローンですが、借入れをする際、変動型金利が良いのか、固定型金利が良いのかと悩む方は多いと思います。住宅ローンは借りる段階で変動型か固定型のどちらかを選択しなければなりませんが、金利によって支払総額が大きく変動するだけに迷われるのも当然だと思います。
将来のことは誰にも分からない訳ですから選ぶことは極めて困難なことですが、変動型、固定型ともにメリット、デメリットがあり、それぞれの特徴からどちらが自分に合っているのかという観点で選ぶことは難しいことではありません。客観的な視点で、変動型、固定型の特徴と自分の性格やライフスタイルを重ね合わせることで適切な選択ができると思います。
変動型金利、固定型金利それぞれの特徴について
それぞれの特徴を全て説明することはここでは難しいので、最大メリットとなる観点から見てみましょう。
変動型は固定型に比べ金利が安いのが最大の特徴ですが、これは短期プライムレート(1年未満の短期貸出金利)をベースにしているからです。したがって、半年ごとに金利の見直しがあり、金利が上がり続けるような局面では金利負担は増加し、当初定めた支払額や支払期間が変わってしまうリスクがあります。
変動型を選択する場合、そのリスクを受入れれる方が向いていますので、繰上げ返済がいつでもできる資産のある方、近い将来まとまったお金が入る予定の方、自助努力で収入を増やすことのできるような方が向いているといえます。
次に固定型は、当初定めた金利、期間が固定されますので、支払額や支払期間が変わらないことが最大のメリットです。ただし、金利が下がり続けるような局面になると、高い金利のまま支払い続けるリスクはあります。
固定型の場合、支払額が固定することでやり繰りがしやすいという方や、金利動向に振り回されるのは好まないという方、収入が安定的かつ継続な職業の方などが向いていると言えます。借入時より極端に金利が低下するようになった場合の対処としては借換えがありますが、固定型は借換えしやすいという特徴もあります。
住宅ローンは長期の返済計画に影響する重要な要素、自分に合ったものを!
住まいづくりの相談を長らく受けてきた立場としてアドバイスするなら、会社勤めの給与所得者の方は固定型をベースに、自営業や専門職の方は変動型をベースに検討し、自身の性格や将来設計等も盛り込んだ上で選択することが大事だと思います。金融機関によっては変動型、固定型の組合せもありますので、それらを検討するのも良いと思います。借入時の社会経済状況を考慮に入れつつ、過度な期待や思惑で選択はしないということを心掛けて下さい。
教えてくれた人
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宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター 住まいコンシェルジュ
中川 雄二
住宅産業に従事して30年。2006年にはエンドユーザー向けに「住まいづくりのコンサルティング」をおこなう会社を立ち上げました。私が得た知識と経験を皆さんの住まいづくりにどうぞ生かしてください。
2025.08.27 掲載